早稲田祭2015 裸婦餓鬼『往復』
皆さんこんにちは。わせぶんブログへのアクセスありがとうございます。
今年の裸婦餓鬼「往復」班編集長を務めさせていただきました、西山です。
裸婦餓鬼「往復」班ではその名の通り、「往復」という単語をテーマの中心に据え、メンバーそれぞれに小説を書いてもらいました。
「往復」とは何か。
恐らくみんなこの問いにぶち当たったことでしょう。それは編集長である私も例外ではありませんでした。
往復すること。行って帰ってくること。
私たちの生活は、このある種の画一的なリズムによって形成されています。しかし「往復」という言葉は、常に人や物体の単なる物理的な移動のみを示すものではありません。
試しに、この単語を辞書で引いてみましょう。すると、次のように載っています。
1.行って帰ってくること。行きと帰り。ゆきき。
2.言葉や手紙のやりとり。
3.交際
往復葉書というものがあります。あれは手紙それ自体以上に、そこに載せた言葉を届けるために存在します。
また、私たちが誰かと話すとき、そこには言葉の「往復」があります。
人との付き合いには、感情の「往復」があります。
どこかに行って帰るとき、私たちはまさに「往復」のなかにあります。
我々の生活のなかに息づく「往復」という言葉。人との交流。外の世界とのやりとり……。何気なくこなしているそのなかに、我々は何を見出すことができたのでしょうか。私が挙げたものは、あくまでイメージのひとつにしか過ぎません。書き手それぞれが考え抜いた「往復」には、ひとつとして同じものはなく、そのイメージは書き手の数だけ存在します。皆様には私たちが作製した裸婦餓鬼「往復」を手に取って、それぞれの作品を楽しんでいただければと思います。11月7~8日(土)(日)、8号館406教室、わせぶん喫茶にてお待ちしています。
裸婦餓鬼「往復」班編集長・西山航太