わせぶんブログ

早稲田大学公認サークル早稲田文芸会のブログです!

裸婦餓鬼「踊る」

 「踊る」班は、早稲田祭において、「踊る」をテーマにおいた冊子を販売する。
 「踊る」こと。それは人類が誕生し、言葉を持つ前から行われ続けてきた表現のひとつ。世界中のあらゆる文化圏に存在し、私たちの生活と密接なつながりを持ち続けている。たしかに、今や「踊り」は人間一般から切り離され、プロフェッショナルな人々の特権と化してしまったかのように見えなくもない。バレエ、フィギュアスケートといったような西洋の舞踊は、人体に内在する可能性を訓練により導き出す、そこに我々は美しさを見る。それは我々には当然達成困難でなければならない。しかし、そのような「踊り」の姿は一面的なものにすぎない。スピーカーから流れ出るビートに合わせて、思わず頭を振ってしまう。ライブハウスで手を振り上げながらひたすらジャンプし続ける。地元の夏祭りで、盆踊りに加わる。こういったこともすべて「踊り」であると言えるだろう。リズムが我々の内奥に潜む情動を導き出し、身体を揺らす。これこそ、「踊り」本来のあり方なのではないだろうか。それは表現だ。自己の内奥の興奮を、身体の動きによって表出させる、そういう表現だ。
 そのような非言語的表現である「踊る」ことを、我々「踊る」班は、言語表現のみで構成される小説という形で表現しようと試みる。「踊り」を身体性から切り離したとき、いかなるものがそこに生まれてくるのか。そこにおいて、「踊る」ことは様々な形を取ることとなるだろう。そこでは、その内容がもはや「踊り」と無関係のように見えてくることもあるかもしれない。しかし、それもまたやはりどこかで「踊り」とつながっている。各班員が「踊り」と向き合い、生み出した7作品、それが「踊り」を如何に表現しているのか。それは、「踊る」班の冊子を読み、是非確かめてほしい。

                   裸婦餓鬼「踊る」班編集長 森山隼

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